フライパンで何かを焼いているその陽太の背中に、


黙ってしがみついた。


「・・・るな?」

ひっくり返していた腕の動きが止まる。


顔をぴったりとくっつけたままの私を、首だけ動かして陽太が見ているのが分かる。



ジュージューと
焼けるいい匂い。


そして、あったかい背中。


ふわっと自分の心まで温かさが広がって行くようで。

どうして、この人はここまで暖かいのだろう。


ぐっと腕の力を入れてみると、くすくすと笑っているのが陽太の体を通して分かる。