「あ、はい。すみません」 ふっと力が抜けたらしい宇戸君は、 私に小さくごめん、と告げ、佐田先生にも頭を下げて通り過ぎていく。 えっとー・・・私も戻らないと。佐田先生は走っていく宇戸くんの背中を眺めている。 体はまだここから離れる気はないらしい。 動く気配がない。 後に取り残された私、気まずい・・・早く立ち去りたいと動こうとすれば。 「行くぞ」 一言言われて、背を向けられた。 すたすたと歩く先生はもちろん私に歩幅をあわせてくれるなんてこともなく。 エレベーターの前まで、ボタンを押す。