「あのミケ猫と?」 「……は?」 ミケ猫?聞き返せばちょうど消毒液を含んだコットンが傷口に振れたところで。 ピリッとした痛みに顔をゆがませる。 トントンとコットンを傷口に押し当てる作業を止めた男は、そのまま私を見つめて真顔で。 「だから、ミケ猫とケンカしてたんじゃないんですか?」 ・・・冗談を言っているような雰囲気ではなかった。 それはそれは真面目な真顔だった。