大声で言い返す気は無かったので、立ち上がって酔っ払いを睨みつける。 が、目が合ってすぐ、 不機嫌さを全面に出してきていた酔っ払いの表情は分かりやすく変わった。 気持ち悪い、下心のある顔に。 ニヤニヤしながら、近づいてくる。 「ごめんねぇ、怪我してるじゃないか!手当してあげるから、ちょっとおいで」 気持ちの悪い声に、顔に。咄嗟に本能が、危ないと感じた。 気持ちの悪い太くて短い腕が伸びてくる前に、 持っていたバックを思いっきり振りかざしてやった。