読んでいた本を横に置いて、顔を見れば、 陽太は部屋の入り口で目を見開いていた。 「るなが?」 問は机の上に置かれたものについてだろう。 「うん。暇だったからこれを見ながら」 言いながら、 見ていた料理本を見せる。 見せたページに写っているものと全く同じものが…味までは分からないけれど、机の上にも。 暇…意図的に学校を休んでいる身分としては そんなこと言えないのだけれど、今は猫だ。