「大丈夫、大丈夫だよ、るな」


心地よい陽太の声、ぬくもり、そして撫でてくれている手。


苦しくて、嬉しくて。声も出せずにうなずくしかできなくて。

それでも陽太にはきちんと届いていて、くすっと言う笑い声が降ってきた。


―――目を覚ますと、陽太はいなかった。



開けられた窓から風が入ってきていて、気持ちのいい目覚めだった。


「あ、」

朝だ。


起き上がれば、ベットの上。昨日と同じようにタオルケットをかけられた状態で。