君が嘘をついた理由。



私はどうなるのか。人間、未来が見えなくなると、途方に暮れて涙も出なくなるのだ。私には家族は母親しかいない。



私には、一緒に頑張って行こうと支えあえる父親も、
兄妹もいないのだ。


――大丈夫――。この一言が、欲しかったのかもしれない。


大丈夫?って聞かれるのではなく、心配されるのではなく、大丈夫だよ。そう言ってもらいたかった。


たとえ大丈夫じゃなくても。


それだけで、どうにか頑張れそうな気がするから―――。


呼吸が整ってくれるまで、


ずっと陽太は「大丈夫」それしか言わなかった。