「それは……俺が男で、お前が女だからだろ」

「…っ!」

神宮が何か言おうとして、やめた。
そして、何かをボソッと呟く。

「何?聞こえない……」

「うるさいっ、聞こえてなくていいのよっ!」

少し怒ったように神宮は言い、いつもなら「一緒に帰ろ」と言うところを、今日は何も言わずに一人で帰ってしまった。

神宮、どうしたんだろ。
なんか怒ってるみたいだったけど……。

あたしはなんで神宮が怒っているのか理由が分からず、首をかしげた。