何度か先生や生徒に出くわしたが、
誰もあたしに話し掛けようとはしてこなかった。


ズンズン寮へと歩いて行く。

寮が近付くにつれて、
あたしの頭はだんだんと冷えていった。

寮の前で立ち止まる。

そこには、あるはずのないモノがあった。

な、なんでこんな所にリムジンが……っ!?

思考が一時停止した。

リムジンの中から、運転手らしき人が出てくる。

そして、後部座席を開け、中からでてきたのは、

「蓮様。お待ちの人がいらっしゃいました」