あっくんと気まずくなるなんて、そんなの嫌だ。
だってあたし、あっくんのこと大好きなんだもん。
それは…、恋愛対象として、ではないけれど。
あっくんと同じ好きではないけれど、あたしはあっくんが好きなんだ。
「だから気まずくなるのは嫌」
「じゃあちゃんと答え返してやれ。せっかく告ってくれた五十嵐に失礼だぞ」
「うん……なんか蓮ってバカなのに、こういう時は役に立つんだね」
「失礼なヤツだな、お前は」
むぅ~と仏頂面になる蓮。
……なんか、可愛い。
って!あたし……末期だな…………。
「とりあえず、ありがと!後でちゃんと答え返してくる!」
「お、おぉ。頑張れよ」
次の授業がもう始まるから……昼休みにでも言おう。
そう決めて、次は何か調べていると、なんと数学だった。
「げっ……次は秋田かよ……」
よし、
サボりましょう☆
パッカーン!
頭を何かで殴られた。
うわーすごい音。てか、なんで殴られた?
「逃がさねぇぞ天野?」
「うげっ!あ、秋田……なんで……!」
「お前がよく俺様の授業をサボるからな。俺様の授業だけ。だから早く来て逃がさねぇようにしたんだよ」
そう言う秋田(先生)の額には、青筋が立っていた。
「逃げんなよ?」
「…………」
最悪だ……。
ズルズルと秋田に引きずられて、席に着かされた。
「よし、じゃあ授業始めんぞー。天野は……覚悟しておけよ?」
ニヤリ。
秋田がなにか企んでいるような顔で笑った。
「…………」
その時の授業は当てられまくり、
あたしが不機嫌だったことは言うこともない。


