「あっくんは……それでいいの……?」

そう言うと、あっくんは少し悲しそうにクスッと笑って、

「……いいんだよ」

と言った。


「そんなことよりも!桃の方が大事でしょ」

あたしの方が大事なんて、あり得ないのに。
あっくんの方が大事に決まっているのに。

あたしはーー


「桃?」

あっくんの声にハッと意識が戻る。

「な、なに?」

「……僕のことは気にしなくて大丈夫だから。だから、今は桃の話をしよう?」

「……そう、だね」

あっくんが、そのことに触れて欲しくないのなら。

あたしはそれに従うよ。

だってあっくんは。


あたしの大事な幼なじみなんだからーー。




しばらくあっくんとこれからのことを考えて、
教室に戻った。

あっくんの告白のことには一切触れずに。



教室に戻ると、 あたしはすぐに机に突っ伏した。

……悩み事を解消するために行ったのに、逆に悩み事を増やしてしまうとは……

なんというか、

さすがあたし。


はーっと長いため息をつきながら、あっくんのことや蓮のことを考えた。

だけどあたしは恋愛に関しては疎いようで。

結局答えは出なかった。


「……なんで勉強と同じじゃないのよ……」

ボソッとそんな愚痴がこぼれる。