蓮なんか死ねばいいのに。
つうか死んじゃえ。
死んでしまえ。

そしてもう二度とこの世に戻ってくるな。

あたしの邪魔をするんじゃねえ。
ウザイだけだから。

そう思いながら蓮と一緒に文化祭を回る。

「……天野…」

「なに」

「さっきっから全部聞こえてんだよ!なんだ死ねって!」

「そのままの意味だけど?」

「っあーー!!そんなこと言うなっ!」

お前が聞いてきたんだろうが。
なんなのコイツ。

超うるさいしめんどくさい。
まあ、知ってるけど。
蓮がうるさくてめんどくさいってことはさ。


っていうか。

なんで蓮はこんなに嬉しそうなわけ?
こんな格好なのに……。


あたしは自分の格好を見ながらそう思う。


あたしたちが今着ているのは、メイド服。
着替えようとしたら、クラスの女子たちにこの格好で宣伝してこいって言われちゃった。

はあ……。


あたしがため息をついていると、

「なあ天野、あそこ入ろうぜ」

と言って蓮が指差したのは、お化け屋敷だった。

「えー……やだ」

「なんでだよ」

「めんどくさいから」

そう言うと、蓮は呆れ顔をした。

「天野さー、そんなこと言ってると何にもできねーよ?」

「いいよ、それで。だってめんどくさいのはあたし嫌だもん」

「よし、入るぞ!」

「アンタあたしの話聞いてた?!」

蓮はあたしの腕を掴んでズルズルとお化け屋敷へと進む。

「ちょっと!話聞きなさいよっ」

「~♪」

このっ……!

あたし嫌だって言ってんのに!!