女装男子VS男装女子。



【蓮side】

アイツ……ぶさけやがって。

オレの告白は忘れたとしても、自分で持ち掛けたゲームのことも忘れるなんてどんな神経してんだよ!

それともあれか、
オレには一切気がないってか。


コノヤロウ……上等じゃねぇか。

ぜってーお前を好きにさせてやんよ。


「はっ、上等」


オレはそう言って天野を見る。


天野もオレを見て、ニヤリと笑った。


オレは天野の腕を離し、たぶんってか、絶対にオレのライバルであろう五十嵐のもとに、自分も接客をしに行った。


「いらっしゃいませぇ~♪」


いつもより少し高い声で入ってきた客に挨拶をする。


オレをみた男共は顔を赤くしながら、席についた。


そして、

「あ、あの……しゃ、写真……いいですか?」

と言ってくる。


オレは「いいですよ♪」と言って、一緒に写真を撮ってやった。


……てゆうか、コイツらオレが男だってわかってんのか?

まあ、どうでもいいけど。


写真を撮り終わると、オレは天野を目だけで探す。

天野は、メイド服が恥ずかしいのか、赤くなりながら接客をしていた。


……やべぇ。
あれはヤバすぎだろ。

可愛くって、何も言えねぇ。

頬を赤くしてちょっと伏し目がちの天野は、とてつもなく可愛かった。

その証拠に、客のほとんど(男共)が目をハートにして天野を見ている。


オレもそのひとりだ。

……目はハートにしてねーけど。


つうか、オレは天野の女姿が見たいだけにこの男女逆転メイド&執事カフェを提案したのだ。

我ながらアホだなと思う。

が。


やっぱりオレは提案して良かったと思った。


他の奴等が天野を見るのは気にくわねぇけど。