「あ、あっくん!?な、なぜに恋人つなぎ?」

「僕がしたいから」


そ、そうですか…。

あたしはからめられた指を見て、少し恥ずかしくなる。

「あっくん……恋人つなぎは、やめよ?」


「なんで」


「あ、あたしが恥ずかしいから!しかも今は男装してるし……それに、」


「それに?」


蓮の顔が恐い。
ちょお恐い。マジ恐い。

さっきから、ずっと繋がれた手を睨んでるよ!

あっくんは気付いてないの?


あたしはあっくんを見上げ、蓮にチラチラと視線を送りながらあっくんに目だけで訴える。

あっくんはあたしの言いたいことが分かったのか、「あぁ」という顔をしている。

「なんだ桃、神宮に見られてるから恥ずかしいの?あんなの、ほっとけばいいんだよ。もう、桃は可愛いんだから」

あっくんがふにゃっと笑う。

いつも無表情だからか、その笑顔の破壊力がハンパない。

幼なじみのあたしじゃなきゃ絶対鼻血噴いてたな。


って、ちっがーう!!