「オレはバカじゃない。お前がバカなんだよ!」

「はぁ……これだからお子ちゃまは。桃、ここにいる必要なんてないよ、教室戻ろ?」

ぐいっ。

あっくんに腕を引っ張られる。

「ち、ちょっと待ってあっくん!あたしはここにいるよ、てゆーかいなくちゃいけないの!」

「…なんで?」

「あたしが(かなり不本意だけど)神宮の奴隷だからデス」

あっくんが、『奴隷』という単語を聞いてあり得ないと言った顔で神宮を見る。

神宮は神宮であたしのことを見ていた。

〈お前、なんで女言葉なんだよ?〉

パクパク。

神宮の口が動く。

〈だからーあたしとあっくんが幼なじみだから、隠す必要がないんだって〉

パクパクパク。

〈あぁそうか……って!〉

パクパク……

「あっくん!?」