女装男子VS男装女子。

「ちょっ、桃!?何言ってんの!?違うから!断じて違うから!」

「じゃあなんで俺の名前とか…………その、俺が本当は……ごにょごにょ……だってしってんだよ!!ストーカーだってこと以外あり得ねぇだろうが!」

あたしが勢いに任せて言うと、五十嵐くんは心底呆れた顔をした。


「まだわかんないわけ。桃って意外と記憶力悪かったんだね」

「あたっ……俺はそんなに悪くないほうだけど?」

「んーん、僕のこと覚えてない時点でそれは否定されたよ。本当桃って昔から頭はいいのにバカだよね」

「んなっ……!あたしはバカじゃないっつーの!……は!」

あたしは自分の失言に気付いて口を手で塞ぐ。
でももう遅かった。

つーか遅い。
塞いでも意味ないし。だってなんか知らないけどあたしの正体バレてるし?