「……えーと?」

「……はぁ。晶だよ、五十嵐 晶。もしかして本当に覚えてないの?」

五十嵐くんは、呆れたようにもう一度名乗る。

「覚えてないって言われてもよー…、俺とお前今日初めて会ったんだぜ?」

「てゆーかさ、なんでそんな格好してんの桃」

「あぁこれは……って、俺はそんな格好って言われる格好はしてねぇよ!つーかなんでお前俺の名前しってんの?」

五十嵐くんに名前を呼ばれ、危うく答えてしまうところだったけど、よく考えてみれば、五十嵐くんってあたしの名字しか知らないハズだよね。


「わかんないの?僕は男装のことを言ってるんだけど?」

「だから!……って、えぇ!?お、おまお前何言ってんの!?俺が男装なわけねーだろ!俺は男だぞ!!」