あたしは聞こえなかったことにすると決めた。

「あーまーのー?」

静にしろ。

あたしは今寝てるんだよ。

「起きろー」

嫌。

だってまだ眠いもん。


神宮はあたしが起きないことが分かると、ため息を吐いた。

あきらめた?
よかったー、これでまた寝れる……

「……今すぐ起きねーとバラす。

みんなー、ちゅうもーく!実は天野ってー」

「わあああぁあ!起きた起きた!おめめぱっちり!!」

あたしは神宮の口を塞ぎ、あたしたちに注目するクラスメートたちにぎこちない笑顔を見せた。


その時、なぜか女子たちが真っ赤になったのだけれど、
あたしには理由が全然わからなかった。


ふぅ……。

とりあえず、バラされることは回避できた。