私はそのまま、無意識に屋上に上っていった。
そして隅っこにあるスペースにゆっくり座る。
「うぅ………ひっく。あんなチョコもらったら、井ノ上くんも嬉しいだろうな…。」
それに比べて私のチョコは……。
チラッッと胸に抱えている小さい袋を見る。
はぁ…。もう今日は散々だよ。チョコは渡せなかったし、泣きすぎて目は腫れぼったいし。
こんな姿じゃ、井ノ上くんに顔を会わせることすら出来ない。
そう思ってたときだった。
バンッッ!!!!
屋上のドアを蹴破る音がした。
「やっぱりここにいた………。」
「っっっ!! 井ノ上くん……。」
なんでここに来るの………。


