何でこんなに無難なチョコマフィンにしたのか―――。
それはもちろん、私が不器用だから。
無理して変なチョコ渡しても、井ノ上くんは捨てちゃいそうだし。
ちょうど三菜ちゃんも、チョコマフィンを彼氏さんにプレゼントしたかったらしいから、一石二鳥だよね!
けど、さっきから私、全然進んでないような………。
しかも三菜ちゃんの邪魔、思いっきりしてるし。
「三菜ちゃん…ホントに私、迷惑かけてるから、自分の家で作るよ?? 凄い邪魔してるし……。」
いつか、ホントに三菜ちゃん家壊しそうだし…。
そう言ったのに、三菜ちゃんは。
「大丈夫!! 私が光葉と作りたかったんだから!! 迷惑じゃないし、それに……光葉、私とじゃなきゃ作れないでしょ??」
ニカッッと笑って、止めていた手をまた動かし始めた。
ホントに三菜ちゃん、優しいなぁ………。
頼りになるし。もういっそのこと、私のお姉ちゃんになってほしい。


