「1人で3人か、一度手合わせしてみてぇな。真面目だとは思っていたが、なかなかやるじゃねぇか」
「恐縮です。…原田さん、お聞きしたいことがあるのですが」
「なんだ?」
「……新選組をよく思っていない町人に会いました。思想の違いは、あって当然だとは思いますがそれ以外に何かあるようでした」
「……そうだな」
原田は目を伏せてから、庭に目をやった。
このままでは濁される気がする。あまり話したくないことだとしても、新選組隊士として知る権利はあるはずだ。
「特に芹沢局長に対してひどく悪い印象をもっているようでした」
「……前川、ちょっくら話してぇことがある。俺の部屋にきてくれねぇか」
突然笑みを浮かべて肩に手を回すも、強引に歩き始める。誤魔化すつもりか。
抵抗して、真面目に話をしてくれ、そう口に出そうとしたら、原田の口が耳元にきて。
「静かについてこい」
真剣そのもので、そのまま原田の部屋へと連れていかれる他なかった。
