「哀音が襲ってきたが、お前は刃を交えそして生きている。そうしろ」
「…………」
実際そうだ。本物の哀音と刃を交えて、前川は殺されなかった。
事実ではある。だが、それは哀音が前川を殺さなかっただけ。
けして対等ではなかった。
「今はどんな事をしてでも名を上げる。そのためなら、偽りだって真実にしてやるよ」
「………はい。命令ならば」
捻じ曲がった真実。そうしてまで、前川は哀音を知りたく、土方は新選組の名を広めたかった。
「副長。1つ、よろしいですか」
「なんだ」
「芹沢局長は京に来るまでにも、今のような行動をとられていましたか」
「……あの人は変わらねぇ。今までも、これからもな。 それだけか?下がれ」
「はい。失礼致します」
一礼をして空間を出ると、すぐに沖田が追ってきた。
