「前川、説明しろ。昨晩何があった」
沈黙の後、土方が口を開いた。
「報告致します。昨晩、先に帰路につきましたわたくし共は、途中で何者かにつけられ襲われました」
「つけられたのには、気づいていたのか」
「はい。酔っていた者は気づいておりませんでしたが、気配を感じる事が出来ましたのであの場所で、つけていた者に問いました。
何故つけているのかと」
昨夜の光景がはっきりと脳裏に浮かび上がる。
手に汗が滲むのを感じながら、目線は真っ直ぐ土方からそらさなかった。
「奴の顔を見たってことか。男か女か」
「暗闇故に男か女かは、はっきりとわかりませんが」
前置きしてから、拳に力を入れた。
