「前川、参上しました」




「入れ」




「失礼致します」









夜が明け、普段は朝の稽古をしている時間。





前川は空間(あきま)へ足を踏み入れた。幹部が全員入るには十分の広さを持つ空間は、話し合いの際よく使われる。



平隊士が過ごす部屋からは遠く、人に邪魔されないようになっていて、前川自身空間へ来るのは初めてだ。









背筋を伸ばし、幹部の視線を受けながら正座をした。







空間は重い空気と幹部達の圧倒される雰囲気に包まれている。













息が詰まる思いで頭を下げて言葉を待った。