「立っていられるのですね、お仲間は倒れていらっしゃるのに」




「!?……刀背(みね)打ちか」







痛みに耐えながら、声を発する。







問いというよりは確かめる言葉に、微笑を返した。











「……殺さないのか」





「殺して欲しいのですか?今なら可能ですが」







「……………」








「芹沢鴨の元へ連れていけ。そうするだけなのに、何故しない?」








「………っ、はぁぁぁぁ!!」










答えることなく、前川が刀の構えを直前に変えて突きをいれてきた。





思いもよらない斬り込みに体を仰け反らせると、懐から金平糖がこぼれ落ちた。




月が、雲から顔をだした。光が金平糖と、哀音を映し出す。