それより、哀音の方が早かった。
平太を庇う位置に立ち、冷ややかに一瞥(いちべつ)する。
「お姉…ちゃん…?」
「女、どけ」
「子供にまで手を出すつもりですか。でしたら、あなた方は武士ではなく野蛮な武装集団です」
「なっ!!」
「抑えろ、須賀。…今は大和屋の御用改めに集中するぞ。すぐに証拠が見つかる」
隊士がさがり、大和屋内に入っていく。
哀音が主人を見ると、主人は平太を見つめていた。
「組長、見つかりました。武器と長州藩とのやり取りの書です」
数枚の紙を片手に組長の元へと駆け寄って来る隊士に、主人が悲しみの表情を浮かべた。
簡単に目を通すと主人の手に縄をかけた。平太が手を伸ばそうとして哀音が制止する。
