「主人の息子か?お前がどこかにやったのか」
「この子は違います、近所の子供どす。ほら、あっちに行き」
「おっ」
おっちゃん、呼ぼうと口を開くと主人の手がさせなかった。
「お母さんが心配する、ここから立ち去りなさい」
「嫌だ……嫌だ」
首を横に振り、立ち去る事を拒む。そして主人の手から逃れると、涙いっぱいの目で組長を睨んだ。
「餓鬼、邪魔だ」
「餓鬼じゃない…っ!!僕の父ちゃんは長州の武士だったんだ!!お前なんか…お前なんか!!」
必死に言葉を紡ぐ。
が、新選組は長州と敵対している。長州の名を出せば危険なことで、新選組組長の目の色が変わったのに気づいた哀音は胸の短刀を確認した。
近くにいた隊士が組長の目線だけで指示を受けて平太に近づく。
