―――がしゃゃんっ!!
耳に入るのは物が破壊される音。
平太が音を聞いて、涙をぼろっと零すと人混みをかき分けて大和屋へ向かって走り出した。
哀音もその後を追う。
「どこにあるか、言った方が楽だぞ?大和屋の主人さんよ」
「何を言うてはるか、理解に苦しみます」
主人が新選組の人に言い寄られている姿が見えると、平太はためらいもなく主人の元へと駆け寄った。
哀音は一歩を踏み出さずに野次馬の中から様子を見る。
「おっちゃん!!」
「!…何で来たん!」
「おっちゃんは、何もしてないよね?! おっちゃん!!何でこんな事になってるの!?」
「っ……」
何もしてない、そう言い切れないのが辛いと表情が語ったがすぐに笑顔を見せた。
「何も心配いらんよ。何もしてへんさかい、安心しぃ」
眉根を下げて困った様子で笑う。
それを見ていた新選組の風貌が中で動いている人と違う人――組長だろうか――が近寄って平太の肩を掴んだ。
平太はすぐにその手を払う。
