「大和屋に新選組が押し寄せたんやて」
「長州藩の人と仲良うしとっただけで、捕まえようとするなんて……自分らの方がよほど酷い事するのにようやれるな」
「新選組は野蛮やね」
大和屋。
主人の顔と平太の顔が脳裏に浮かんで、走って大和屋へと向かった。
. .
新選組がまた、傷つける。
嫌な汗が背中を伝い、胸が締め付けられる。
哀音が幸せを奪った相手がそこにいるならせめて、守ってやりたい。
人を殺めるのは、哀音だけでいい。
復讐という籠に囚われて欲しくない。
大和屋が近づくにつれて、人は多くなっていく。
―――ぐいっ
着物の袖を引っ張られて体が傾いた。
