「…ありがとうございます」 三味線をすぐ傍に置くと、三つ指を床につけゆっくり頭を下げた。 頭を下げた途端、拍手が惜しみなく送られてくる。 興味がないといったように、にこりとも笑わず三味線を手に取ると襖(ふすま)を開けて部屋の外に出た。 追うように一人の男が部屋の外に出てくる。