-アイネ-



浅葱色の羽織が風になびく。


表情ひとつ変えずに、目の前に立つ彼らを見ていると、一人が口を開いた。



「三味線って確か哀音も使っているんだよねー」


「ただの三味線奏者に構っていたら日が暮れるぞ、総司」


間延びした喋り方をする総司と呼ばれた人と、



「ただの、ねぇー…。一(はじめ)さ、この三味線奏者の演奏結構面白いと思わない?」




「面白ければ良いわけではないだろう」




はっきり話すが無愛想な印象を受ける一と呼ばれた人は、後ろに見える軟弱な人達とは違う雰囲気をまとっていた。






すっ、と哀音はその場を去ろうと立ち上がり足を出した。




―――瞬間。