握り拳をつくり、肩を震わせる幼子に声も出なかった。 "哀音に殺されたんだ" 短刀が懐で妖しく光る。 「藩のおっちゃんに聞いたんだ。哀音に殺されたんだって。…哀音が、殺したんだ」 黙ってそっと髪に触れる。 哀音じゃない、とは言えない。哀音は訛りで判断している。もしかすると哀音が殺めたかもしれない。 こういう子に会わないとは思っていなかった。人を殺めるということは、誰かの憎しみを背負うこと。 「…私が」