「ぼくの知っているお姉ちゃんは、……とても優しくて強いお姉ちゃんだよ。壱太を助けてくれて、ありがとう」











最後はにっこり笑って、平太に抱きつく壱太の頭を撫でた。







哀音は目を細めて、震える手を隠した。




平太が壱太を部屋から出した後、壱太は義弟なのだと話してくれた。平太が引き取られた時にまだ1つになるかならないかだった壱太は、平太のことを本当の兄だと思っているらしい。






平太がすこしたくましく感じたのは、弟――守らなくてはならない存在が出来たからかもしれない。






もう、大丈夫だろう。平太は強い子だ。












「平太くん、お願いがあるのだけれど」











わたしも強く生きる。







その為にすることは、1つだった。