言い残して隊士の方へと駆けて行った。背にある三味線は無事だろうか。 そんな事を思いながら腹部を押さえていた手を見た。 血で真っ赤に染められた手―――己の血か、それとも。 「っ……」 今まで手にかけてきた人達も、この苦しみを感じていたのだろうか。 家族を思い、死に抗ったのだろうか。 「ほんと……に」 哀れで愚かな生き物だ。人間は。 意識を失くす、その瞬間。 「桔梗!?」 懐かしい声に微笑んで。 目の前が真っ暗になった。 ―――*――――