前川は真剣な目をしたまま続ける。 「この男と共に行き、これから先利用される事を望むか?巻き込まれ、その命を長州の元で落とすか?」 「平隊士、邪魔だよぉ……」 刀が抜かれ、数歩前川が後退する。 「哀音がそれでも長州につくと、言うのなら」 数刻前に言われた、土方の言葉を思い出し唇を強く噛んだ。 そして。 「斬る」 覚悟を決めて発した。