「それがどうしました?お役御免の男を、あなた方が処分して下さるのでしょう?」
「………」
「例え私にとってまだ使える駒だとして、それは新選組にとっても同じでしょう。
斬られろと言われれば、どこでだって斬られるような――何を命じようとも素直に従う従順なる下僕(ぶか)ですから。このような者はそうそういない。私を手に入れられず、利用価値のある下僕(ぶか)を失って――新選組に利益はありますか?」
哀音の言葉に、沖田が楽しそうに笑みを浮かべた。
「やっぱり殺りあいたいな〜…哀音はおもしろい。ここまで断られたんですから、もうやってもいいでしょう〜」
「許さねぇよ。……近藤さん」
局長命令でないと皆は動けないらしく、土方は近藤に意見を求めた。
そこに前川が背筋を伸ばし、正座した。
