京の治安を守るという名目で、人を斬り殺す集団。
芹沢鴨がまとめ、支配している集団だと思うと反吐(へど)が出る。
朱色の着物を脱ぎ、水につけるとゆらゆら赤く汚れが浮き、まがまがしい深紅へと染め上げた。深紅の水面にうつるのは、哀音の顔。
青紫の桔梗の花が描かれた撥を見て、哀音のようだも言った楓を思い出し、顔を歪ませた。
死体のある場で使った撥は、三味線と共に置いてあり、手にとる。
真っ白な撥――――だが、赤黒い不自然な斑点があった。
「哀音として生きると決めた…後戻りはしない」
誰かがつけた名の下、生きる。
撥を握り締めて静かに呟いた。
