-アイネ-







「よう見とる。よし、今日は別の護身術を教える」








師匠から毎日教えてもらえる護身術は、簡単なものから複雑な合わせ技まで様々なものがあった。出来ない事も多かったが、不格好でもなんとか出来るところまでやれるように、自分で練習した。







全ては妹を探すため。心にはいつも楓がいた。









半年経った、初夏。





「桔梗、三河国に行く予定ができた。行くかい?」







髪の毛が背中にかかるまで伸び、背も伸びた桔梗に、若先生が声をかけた。







薬草をつぶして、調合をしていた桔梗は頷いた。


村の話は何も聞かなかったし、師匠も若先生も気を遣ってか話さなかったので、今どうなってるかは知らない。







時間をかけて、三河国まで行き、村の入口で足を止めた。










母の影が、足を止めさせた。