―――かぁぁぁんっ!!
「永倉さん、危ないですよ」
永倉の大柄な体の向こうに、見慣れた姿。
「前川、すまねぇな」
「哀音には後で話を聞くとして、周りを片付けましょう。そうでないと、終わりません」
哀音を一瞥して去る前川に、永倉も続いた。
新選組幹部は腕がたつというのは本当らしい―――周りを見ると多くの藩士が地に伏せていた。
「っていうかさ、何で前川がここにいるのー?」
「少し気になることがありまして……副長の命をきかず、来てしまいました」
「ふーん……あの土方さんの命令をきかないなんて、お前勇気あるね。嫌いじゃないけどそういう奴」
相手を斬りながら沖田は前川と会話をしている。
天才剣士は名だけでなく、沖田と藩士の腕は雲泥の差がある。
「組長ほどではありませんが」
前川は刀を落とさせ、気絶させ、それでも向かってくる者は容赦なく斬っている。
だが、やはり平隊士は幹部に腕で引けをとる部分がある。
必然的に狙われるのは彼1人になった。
