「実は、……――――」
「何故、そのようなことを…?」
「新選組がにくいからや。怪我するかもしれへんから、誰も参加したがらへんが」
「ありがとうございます。那須屋ですね」
礼を言い、その場を去ろうとする。
「参加するんか!?」
「恩を返す良い機会ですから」
聞いたところによると、那須屋までそう遠くない。歩いて一刻もしないうちにつくだろう。
話にのれば、長州藩の人間と接触できる。
八年前のことが聞けるかどうかは分からないが、このうえない機会だ。逃すわけにはいかない。
「…………」
前川の顔がちらついて、振り切る。
これは仇討ちなのだ。仇討ちは罪にはならない。仇を打つために人を殺める行為が許されるこの時代に、終わらせたい。
しばらく歩き続けると、聞いたとおりの場所に那須屋はあった。
母屋のように見え、静けさを保つ建物には紫色の小さな旗があり、扉近くの窓から顔を覗かせていた。
息をゆっくり吸って、吐く。
扉を開けると、主人が待機していた。
集まりに参加したいと告げると、話が行われている部屋へと案内された。
