宮田が、前川の脇を突こうとした。前川はその刃をよけてから、相手の腹を斬った。
大量の血が、雪を染めた。
力なく崩れる宮田を、片手で受け止めた。刀を落とし、両手で支える。
「…前川」
「なんだ」
「…お前に、斬られ…て、ほっとしてる…。俺は……これ、を望…んでいた…気が、するん、だ……」
「………そうか」
支える腕に力が入る。
「そうか……」
それっきり、もう宮田の声はしなくなった。
「きっともうすぐ、新選組が来る。その前に、決着をつけたかった。宮田、もう少し話させてやりたかったさ…」
そのまま、ゆっくり壁にもたれかけさせて、彼は刀を手に取り鞘におさめた。
哀音も短刀をおさめ、三味線を取りに行く。
