「私は、かつての仲間としてお前を斬る」
一気に走り出し、宮田が見極めようと動けずにいると足を斬りつけるために刀をさらに下げた。
それに気づき防ごうとした宮田の動きをみてから、鞘を取りあいた胴へと当てた。
鈍い音と共に体勢を崩す。それをものともしない様子で、胸のあたりを突いた。
間髪でよけられ、足をかけられそうになり前川は後退した。
そこへ、きらり、と反射したものが飛んできた。
「伏せろ!!」
「!」
前川が哀音の声に伏せると、短刀を投げて針をはじいた。
紐でふくらはぎの患部より上を縛り、短刀を取りに行く。
「気にせず続けろ。外からくるものは、私が全て対応する。けじめをつけるんだろう」
「すまないな」
「高くつくぞ」
「きちんと返す」
次々に針が飛んできて、哀音は短刀を手にはじいて雪の上に落とす。
足は思うように動かないため、ほとんど片足で不安定な中対応する。
雪の上に落ちた針を拾い次に飛んできた所へと、投げた。
「ぅっ…… 」
短い声に手応えを感じた。
何度か同じことを繰り返していると、針は飛んでこなくなった。
