前川の姿が宮田の背後に見えた。
吐く息は白く、上がっている。
「前川じゃねぇか、やっぱり哀音と接触があったんだな」
声だけで分かったのか、鼻で笑いながら宮田は言った。
「私にこの男の処分を、させてくれないか」
「…後から甘い蜜だけ吸うのか?」
「私はけじめをつけたい。我侭だ、もし断るのであればそれでいいが…私はこの男と」
「1番組隊士同士の問題があるのなら、勝手にやって。好きにすればいい」
刃をゆっくり離し、下がると前川が刀をぬいた。
「恩に着る」
「前川に俺が殺せんのか?」
「殺れるさ。私は宮田…お前と仲間だったから
」
前川が気を許していた相手――彼にとって宮田がどこまで信用出来た人間かは知らないが、どちらかが死ぬことは決まっていて。
前川自身が願ったことだ、哀音はだから下がった。
