辺りが真っ暗になり、灯も消え一刻がたった頃。
雪を踏みしめる音と、殺気を感じた。
「……隠れる必要はないですよ、どうぞ出てきて下さい」
口元に笑みを浮かべて女らしく声を出す。
あの程度の尾行に気づかないほど鈍くはなかったようだ。誘き出すためにわざと言ったとみえる。
数人が姿を現すが明かりがないために、顔ははっきりと見ることは出来ない。
「哀音、だな」
「宮田さんですね」
「まさかつけられて話を全部聞かれるとは、思わなかったよ。殺される覚悟は出来てるかぁ?」
周りの者が刀を抜いた。哀音も懐に手を入れて短刀を出す準備をしようとしたところで。
暗がりに宮田が手首を回したのが見え、一斉に男らが出てきた。
短刀を出そうとしたが、腕を押さえられる方が早かった。
「っ!?」
