「………」
「…………」
ふと、二人か――の視線を感じて次の手を止めた。
舐め回すような視線はわざとらしく、殺気を隠すためにそうしているのか、否か。
暫しの後、視線を感じなくなったので後を追うように視線を感じた方へ足を進めた。
物陰に身を潜めながら、二人の男の背が見えたのでようすをうかがう。
「哀音の居場所が分かった今、殺るしかなかろう」
「いや、以前数で圧されているのを見た。これは宮田に話し、指示を仰ごう」
「いつも宮田にっ!」
「あの人が宮田に全て任すと言うた。じゃったら、宮田につくことがあの人の真意に添うことになる。よう考えてみ、今二人でやっても返り討ちじゃ。
俺はこの目で哀音を見て、今はそれを信じるしかなかっとやろ」
1人は先日会った男だ。もう一人は仲間か。
こいつらを游がせておけば、宮田という男も捕まえられる。宮田は話を聞いたところでは、長州藩の上の人間から信頼されているらしい。
つまり、あの日の手がかりを得るかのうせいが十分にあると考えて良いだろう。
やけにゆっくりになる心臓と呼吸に、手に力を入れた。
