「っ、は……」 短刀についた鮮血を振りはらえば、雪に赤く斑点が描かれる。 男達は倒れ、気を失っている。多少斬りつけあとは刀背打ちに済ませた。しばらくは、目を覚まさないだろう。 「さすが哀音じゃき、あっちゅう間に終わったな」 「こうなる事は、分かってたよ。何の為に寺で居場所を教えたと思っている。盗み聞きするなんて、趣味悪いとは思ったが。ただ、この方と会うのは予想外だった。全く、嫌なときに襲ってくるものだ。 ずっと機会をうかがっていたくせに」