「私は、人を殺めた」
柄を握る手に力が入り、男達の刃を受け止める。
「その重さを知っている。その後の残された人達の悲しみを知っている。殺めたことで恨まれようとも構わない。だけど」
一人で多い人数を相手にするのは、やはり疲れる。息がわずかにあがっているのが分かる。
男の刃を流して脇腹に突く。
「全てを背負う覚悟はできている」
生きるはずだった命を、残された者の悲しみ苦しみ、恨みも全て背負うと、人を殺めた時から決めている。
あの時の様子が脳裏に浮かんだ。錯覚してしまうけれど、これはあの時じゃない。分かっているのに行動はあの時と同じ行動になってしまう。
違うのは――
