哀音は直ぐに傍へ行って襲おうとする者を斬りつける。
この人は関係ないと叫んでしまいたい。だけどそれは、この人達もしたかったこと。自分だけそうするのは卑怯だ。
黙って守ることしか出来ないのだ。
「愛音……」
「私は、親が殺されたとき何も出来なかった。貴方達もその人が殺された時何も出来なかった。でも今は力を持っている。
だから恨まれること恨むことに対して刃を向ける。それを分かっているからこそ、この方を傷つけることは許さない。今度は戦えるから、大切なお客様は無事に返します」
雪が強くなり、ずっと降っていたせいで積もった雪をさらに覆う。
視界が多少悪くなるが、雪になれている哀音は気にならない。
