「言われなくとも、決めていますよ。私は本当に見極めるべき相手を見極めておきたい。それが芹沢か、長州かは分からないけれど。
……ただ、新選組には協力しませんから。今は、それで良いですよね」










「今もらえる返事は、それ以上は望まない」










いつの間にか止んでいた刀同士がぶつかり合う音に、時間だ、と前川は踵を返して来た道を戻っていく。









「哀の音に誓います。私は貴方と共に見極めると」






その背中に、風にさらわれてしまいそうな声で伝えると、前川は足を止めた。








「新選組1番組隊士、前川達(たつる)。誠に誓う」











刀に手を添えてそちらも、さらわれてしまえば分からぬ程の声だが、言葉は哀音の耳に届いた。