治療室に入ると、あの嫌な音が耳に直接突き刺さってくる。 嫌々治療椅子に腰掛け待つと、隣で治療を終えた患者が頬を抑えてトボトボ帰って行くのが視界に入った。 「……」 去って行く患者を視界の片隅で見送ってからしばし、奥から治療器具を並べたお盆を持った大柄な男がこちらに近づいてくる。 「えー、サラリスさん?今日はどうしたの」 男はそう言いながらも、治療器具の準備を始め出した。 「いやぁ、何か奥歯の調子が芳しくなくて」